街角の雑踏

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【幸腹グラフィティ1話】琉球畳とシャフト空間

すばらしい飯テロアニメだった。そしてエロい! これはエロいひだまりスケッチだ!

という第一印象な幸腹グラフィティですが、私的に気になる点がありました。

リョウたちが食事をとる和室に正方形の畳が敷かれていることです。この点について備忘録代わりの、ちょちょいと調べただけのレポートクオリティでまとめておこうと思います。

 

この和室でのシーンをみた第一印象ですが、
 

 


という感じでした。そのまんまですね。

 

琉球畳っていうのは簡単にいえば、正方形の畳のことですね。厳密にいえば畳のへりが無いものを指すらしく、消臭性や耐用年数も違うらしいです。

 

琉球畳/住宅用語大辞典

http://suumo.jp/yougo/r/ryuukyuudatami/

 

作中で描かれている畳はへりありなので、先ほどのツイートは勘違い、琉球畳では無い。ということになります。では、なぜ琉球畳改め正方形畳を使ったのでしょう。

 

琉球畳で画像検索してみると、今までの和室のイメージとはどこか違う洗練された写真がたくさん出てきます。

 

琉球畳」でGoogle画像検索

https://www.google.co.jp/search?q=%E7%90%89%E7%90%83%E7%95%B3&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=nLS3VNG-BIWN8QXf9YLYDg&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1920&bih=955#q=%E7%90%89%E7%90%83%E7%95%B3&tbm=isch&pws=0

 

この印象、明らかにグリッド模様による視覚効果だと思うのです。

縦横比2:1で構成された通常の和室の床パターンと異なり、1:1のグリッドを使用することでアニメ的には、パースを強調、奥行きをよく感じさせる記号化された構図になるような気がします。

 

シャフト空間ですね。

そこまでアニメに詳しくないこともあり、シャフト空間における床模様や和室の表現について他の作品の例を挙げられないのですが、琉球畳(のようなもの)を使用した和室描写はとてもシャフトらしさが表れている部分だといえます。

広く感じさせる空間に家具を片隅に置くだけというのもシャフトっぽいです。

 

では、この演出が「幸腹グラフィティ」という作品に適切なのか、そこが問題です。

もちろんダメだと思います。

原作は残念ながら未読なのですが、1話をみた限りでは、単に女の子達がおいしい料理をおいしく味わうだけでなく、皆で食卓を囲うこと、家族愛のようなものが一テーマになっていると感じました。

そうなると、それらを演出する空間としては、暖かみを感じさせるためにすべてがヒューマンスケールで描かれるべきで、無駄に広く感じさせる空間など必要ないのです。生活感を感じさせる、モノに溢れた和室であるべきで客間のような妙に整然とした空間である必要はありません。シャフト空間の真逆というわけですね。

1話の食事シーンを見返してみると、リョウ単独で食事をしているときは、なぜか食事がおいしく感じられない(実は孤独感によるもの)ことを表現していた空間描写ですが、きりんが加わってもなお空間が広いためどこか寂しげな風景です。

きりん宅における食事シーンとの対比(テーブルが配置されている点と床がタイルでグリッドという点で同じ)を強調し、アイテムがちゃぶ台と畳(とおいしい料理)に転化したことの空間の暖かみの強調と捉えても良いですが、それならいっそシャフト空間はやめて欲しかったかなあ。と思います。

 

とまあ、料理を通して人とのふれあいを描く本作品における空間演出で少し引っかかるところがあったので少し書いてみたわけですが、全否定しているわけではありません。

料理の描写は丁寧で本当に飯テロアニメだし、冒頭にも書いたひだまりスケッチのような、どことなく安心する雰囲気、いわゆるシャフ度に代表されるシャフト特有の強調表現(空間に関しては疑問符でしたが)、色々と楽しむポイントのある作品だと思います。

今期も楽しく過ごせそうです。