街角の雑踏

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猫宮ひなたちゃんが全てひっくるめてかわいいという話

ここ最近、無事バーチャルyoutuberの猫宮ひなたにハマったので、その特徴と従来のコンテンツとの差異、気になった課題について、初音ミク文化と比較しつつ書き留めておく。

(2ヶ月前に下書きに溜めてた記事を発掘したので放流します。)

1,バーチャルyotuber四天王から、従来型コンテンツとの差異を見る

本稿は諸々の記録代わりに書いているので、記事を閲覧頂いている方には釈迦に説法だと思うが、バーチャルyoutuberの説明をニコニコ大百科よりコピペしておく。

主にYouTube上で動画等の配信活動を行う架空のキャラクター群を指すのに用いられる呼称である。「VTuber」などと表記されることもある。


「バーチャル」という語から分かるように、2Dもしくは3DCGなどのアバターを持った配信者にこの呼称がよく用いられる。基本的には「YouTuber」の派生語であり、独自の企画やゲーム実況、雑談等多様なジャンルで動画を制作し配信しているため、同ジャンルとして纏められるものの内容は千差万別となっている。マルチなコンテンツ量を誇る者、明るいコミュニケーションが人気の者、声が特徴的な者など各々の個性や人気な点も大きく異なる。

バーチャルYouTuberとは (バーチャルユーチューバーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

私のなかでは2017年末頃からマイブームとなった。Twitterの自分のタイムラインから察するに、やや流行からは乗り遅れたように思える。ひとまず動画を確認したのは、バーチャルyoutuber四天王と呼ばれるの5人である*1

 

数あるバーチャルYouTuberのうち以下の五人は「バーチャルYouTuber四天王」という俗称があり、ニコニコ動画等ではこのタグを付けて作品が投稿されることがある。基本的には「五人揃って四天王」として扱うが、現在最も登録者数の多いキズナアイをチャンピオンと見てそれ以外を四天王として扱うこともある。

  • キズナアイ
  • 輝夜
  • ミライアカリ
  • 電脳少女シロ
  • バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん

バーチャルYouTuberとは (バーチャルユーチューバーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

従来の人間のyoutuber(?)動画を多く見ているわけではないが、違いとしては引用先で言及されているように、話者のアバターとして2Dあるいは3DCGを活用している点が、従来型youtuberとの違いである。単純明快。これによる直接的な利点として、

  1. 投稿者(配信者)の容姿*2により、動画の評価が左右されないこと。
  2. 動画に限れば、複数人による作成を1人のyoutuberが作成した作品として演出できること。

を敢えて挙げてみる。反感を買う発言かもしれないが。

前者は投稿者側の利点だけでなく、生身の人間に関心の薄い層をyoutuberの視聴者層として取り込むことにより、コンテンツの市場拡大に寄与していることのほうが重要と考えられる(私も生身のYoutuberは見れなかったけど、Vtuberなら見れるようになった)。また、その評価基準がひとつ減ったことの副次効果として、投稿者側の参入障壁が下がっている*3

つまり、 

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 と当初は言いたかったが、そのフェイズは過ぎてきたかな。。というのがさいきん(5月)の印象。

 

後者は今回取り上げる猫宮ひなたが行っている(という噂がわんさか立っている)。今回はここに絞って好意的に述べていきたい。

 

2,偏見に塗れた猫宮ひなた評

 猫宮ひなたは今年2月に初投稿したバーチャルyoutuberである。PUBGのスキルがVtuberのなかでも秀でており、以下の動画でバズった。猫耳と、メイドインアビスのナナチのような鼻声が特徴的。

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なによりも魅力的なのがトロンとしたジト目(広義、半目)である。

ジト目の定義は種々存在するので説明は割愛するが、このダウナー系のキャラクターが使用するジト目と声、どちらかというと待ちが多いPUBGのプレイスタイルがマッチしている。とてもかわいい。

 

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そして自己紹介動画を挟んで、その次の投稿作がこちら。

ジングルで楽曲を提供しているGYARI氏の代表曲「何でも言うことを聞いてくれるアカリチャン」のセルフパロ兼縛りプレイ動画だ。

 

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元動画を取り上げると話が脱線しそうになるので、GYARI氏やボイスロイド関連の話も割愛。

アカネちゃん役の脱力系の声も、ゆかりさん役も前作では見れなかったひなたちゃんの違う一面が見れてとてもかわいい。そして縛りプレイをしてても成績を残せちゃうひなたちゃんかわいい(思考停止)

 

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そしてこちらが問題作。別のFPSゲーム、BF1の実況動画である。ゲームは詳しくない私でも明らかにプレイスタイルがPUBGプレイ時と異なっていることが分かる。さらに積極的に攻めていくプレイスタイルは喋る時間的余裕が少ないため、せっかくの声がもったいない。さみしい。

ゲーム実況を行うVtuberは、従来のニコニコ動画Youtubeにおけるゲーム実況者と動揺に、単にプレイスキルが高いことだけを求められず、視聴者層またはキャラクターとの合致具合などといった多くの観点から動画が評されると考えられる。このような評価軸が存在するものと仮定を置いたうえで、もちろんプレイスキルのみを評価される実況者(またはプロゲーマー)もいるが、猫宮ひなたの場合は、それらのキャラクター性を加味した総合的観点から評価されていることから、これを崩すことは避けたいものとなる。

 

3,バーチャルyoutuberならではの差異

(ここから本編)

ところでネット上のゴシップ系サイト、記事を探してみると猫宮ひなたの中の人に関する考察記事が容易にヒットする。声もかわいく、ゲームの実力もある女性となると「声と同一人物が操作していないのではないか?」といった疑念が沸き起こるのはごく自然な発想だ。

考察記事は下記の3つの観点から推測しているものが多く、考察結果の多くがある特定人物を指しているが、本人から正式発表はもちろん行われていない。

【猫宮ひなたの中の人推測の手掛かり】

  • PUBGを行う女性実況者
  • 声質が近い
  • ゲームのプレイスタイルが近い

これらの条件に完全一致する実況者は少なく、前述のBF1の実況動画とPUBGの実況動画のプレイスタイルが異なることから、ゲームを操作する中の人は複数人存在することも考察されている。

ここで、1章で挙げたVtuberの利点の2つ目である「動画に限れば、複数人による作成を1人のyoutuberが作成した作品として演出できること。」がようやく活きてくる。以下、猫宮ひなたには、中の人が複数人存在することと仮定して話を進めていく。

Vtuberが持っている、既存のYotubeやニコニコ動画で行われていた創作系コンテンツと一線を隠した特性として次の2点が考えられる。(行えることはバーチャル空間でできることに限られるが)

Vtuberの特性】

  1. 中の人を複数人用意すれば、中の人それぞれの技能を活かした理想のYoutuberを実現することができること*4
  2. 複数人の技能の総体を1人の人間が擬似的に持っているものとして表現し、ユーザー間(対視聴者、Vtuber同士)のコミュニティを形成できること。

 

ただし、その事象は現状2つの課題(となりうる付随要素)を抱えているものと考えられる。

Vtuberの課題】

  1. 声と身体が分離できないこと。
  2. 対視聴者には1人の人間として享受されること。

 

3-1,声と身体の分離

前者はゲーム実況等、見かけ上は声と身体を分離できる(コントローラーを操作している様子を撮影することができない)事象に課題が散見される。これは従来の人間の生声実況でも分離することはできたが、あまり実践されてこなかった演出方法である。また、類似表現として実況音声のアフレコが挙げられる。

 アフレコ実況は臨場感に欠けるものの、解説を要する動画に適しており、実際のゲームプレイ中は喋りまで頭が廻らなくてもアフレコにより補填することができる。

また、下記参考リンクではSofTalkやVOICEROIDを利用した、いわゆるゆっくり実況、VOICEROID実況についても触れており、自分(投稿者)とは別のキャラクターと、その声を用いることで表現の幅を広げられることが挙げられる。

 このような観点からVtuberをみると架空なキャラクターを擁してコンテンツを作り、それを介してコミュニティを形成する点が、VOICEROID界隈の構造と類似していると捉えるのは難しくない。

 

 参考:

ゲーム実況動画(アフレコ実況スタイル)についての考察 - ゲーム好きなおおうちぇは、ゲーム実況ばかり見ている

 

3-2,1人の人間として享受されていること

一方でVOICEROID界隈との違いとして、Vtuberは視聴者側がキャラクターを同一人物として享受している点が存在する。現時点では「自己紹介をする猫宮ひなた」と、「PUBGをする猫宮ひなた」と、「BF1をする猫宮ひなた」は同じ猫宮ひなたとして視聴者に享受されている。繰り返すがBF1プレイ動画の違和感はそこに起因し、まるでガワだけが同じで別人が中に入っているような印象を受ける(実際そうかもしれないけど!)。この点を上手く抑えているのがやはりキズナアイで、キズナアイはゲーム動画も数多く投稿しているが、キズナアイらしくプレイはあまり上手くない。

 

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4,差異に伴う注意点、課題

 3章の課題(Vtuberの特性)の対応の考え方としては、主に2方向考えられる。

1つはきちんとキャラクターをプロデュースすること。

アフレコでも、中の人が複数人でも理想像を追求することはVtuberの利点であるため、このコンテンツの魅力となるが、付随する課題となりうる要素は対策してほしい。

アフレコについては、公言しているVtuber動画が存在しないため、アフレコの有無は判別つかないが、アフレコだとしても従来のゲーム実況者と比べて演技力の違和感は抑えられるだろう(中の人が役者なら)。一方、複数人による課題はキャラ崩壊をふせぐために、アテレコを行う際には喋るセリフを検討してほしいと思う。ゲームプレイ担当の中の人が喋ったセリフをそのままアテレコするのは避けてほしい。1人の人格を複数人で分担することの追加コストだ。これは小説書きが、登場人物の動かし方を練る感覚に近い。

もう1つの観点は難しい。視聴者側が1Vtuberを複数人格持つ存在として認知する(ようにする)ことだ。ゆっくり実況やVOICEROID、ボーカロイド界隈が該当する。つまり、「◯◯さん家の結月ゆかりさん」「△△さん家の結月ゆかりさん」といったように投稿者ごとにキャラクターが違うということが視聴者側の共通認識となることである。このようになれば、キャラクターの挙動を検討するキャラ調整を行う必要が無くなる。しかしこれは当該界隈と異なり、投稿者が単一であるため外見と中身が分離する認識を与える機会がVtuberには存在しないため、難しいものと考えられる。そのように認知するように持っていく手段はまだ思いついていない。

なにはともあれ、Vtuberの特性を活用するならば、付随する欠点も精査し、その対策も行ってほしい。これがVtuberにハマって最近感じていることである。

 

結論

PUBGをする猫宮ひなたちゃんがいちばんかわいい

*1:5人なのに四天王となるのは、「四天王」のくくりが定着してしまったからだと思うが詳細はよくわからない

*2:SofTalkやCeVIOを用いれば声も変えられる。例:のらきゃっと氏

*3:この話はまた気が向いたときに。

*4:これらを「二人羽織り」とか「人形浄瑠璃システム」と表現されているのをTwitterで見かけておもしろかったです