ボカロPアニソンリストが作りたい
さいきん、ボカロPがつくったアニソンのリストが欲しいなあと思ったので、それについてあれこれと書き並べておきます。
1.きっかけ、とボカロPアニソン製作に関するあれこれ
アニメを見るときは、OP・EDを重視する傾向にあります。最近はクール毎の視聴作品数も減ってしまいましたが、映像面も含めてOP・EDがなんとなく心にとまれば視聴継続することが多いのです。アニメ視聴歴が長くなってくると、同じ声優が使われているキャラを気づけるようになることと同じように、どこかで聞いた音がテレビから流れることがあります。そんな聞き馴染みのあるボカロPの音がテレビから流れてくると、どことなく安心し、「このひと、アニメで活躍してるんだなあ……」と嬉しくなります。そう思い、以下のツイートを行いました。
いつしかアニメOPEDで楽曲提供したボカロPリストまとめようと思ってたけど、どっかに転がってないかな
— じょん (@john_krmt) 2016年10月3日
流石に同じことを思っている人はいるようで、ネットで検索するといくつかアニソンリストのまとめ記事が見つかります。
ボカロPが手掛けたアニソン | まとめ|DrillSpin パーク
ボカロPが作ったアニソン凄過ぎワロタwwww│初音ミクちゃんねる
1つ目に挙げた記事の作成時期である2013年は、多くのボカロPがアニソン製作を手掛けた印象があります。私もボカロPが作曲したOP・EDのアニメをチェックして、アニメ作品自体の視聴のきっかけになっていました。先述したように、ボカロPのアニソン製作の件は、ボーカロイドを通じて楽曲を世に送り出してきたボカロPたちが、また別の舞台へ羽ばたいていって嬉しかったのですが、同時にこの時期は、アニメファンの人たちはニコニコ出身の作曲家がアニソンにどっと流れ込んできていることを、どう思っているのか不安だった時期でもあります。
ボカロファンと、アニメ等の他ジャンルファンの軋轢を生まなければ良いのですが、今回はその話は置いといて、ニコニコ発のボカロドリームを掴んだボカロPを、アニソンでの採用という点から捉えてみようかと思います。アニソンリストは上記にあるように、個人で作成したまとめ記事や、2chのスレ中で該当曲・該当ボカロPを挙げることは何度か行われているようですが、統一的な基準で作成された一覧表は無いようです。今回は、きちんと基準を設け、なるべくボカロPアニソンを網羅できるようなリストを作成したいと考えています。しかしながら、どのようにアニソンリストを作っていくか考えていくうちに、簡単には作れないことが分かってきました。次回は、現時点での作成方法の案と、私にとっては大きすぎるその案の課題についてまとめていきます。
以下、余談。
ボカロPアニソンリストはwiki形式のものすら見つからないのですが、ボカロ小説リストは見つかりました。
小説化したVOCALOIDオリジナル曲の一覧とは (ショウセツカシタボーカロイドオリジナルキョクノイチランとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
PHP研究所を筆頭に多くのレーベルから出ているようです。ボカロ小説化ブーム初期はどの楽曲が小説化されていたか把握して、気になるものは実際に読んでいたのですが、もう追いきれませんね。
小説化ブームに関してはラノベ作家のRETUさんという方*1が、以下のように述べています。*2
このボカロ小説化ブームの背景には、
1:初音ミク及びボーカロイドの知名度の高さ。
2:ニコニコ動画によるマーケティングの下地
3:クリンプトン社の二次創作への寛容な態度などの要因が絡んでいると思われます。
1について
もともと、ボーカロイドは二次創作OKで
ユーザー同士で文化が育てられた経緯があります。そのため、ボカロの共通的な人気が
メディアミックスのしやすさに起因しています。
今や、小学生(特に女子)のほとんどがボカロを知っていると
いうから驚きの知名度です。
2について
メディアミックスされた作品の原作である曲の
動画再生数は、500万再生近くあります。
これは驚異的な数字で、ファイブミリオンです。
すなわち、それだけ曲のファンがいるということです。そうなると、出版社側としても
そこそこ買ってくれる人がいる、と見込めるので
企画を通しやすいんです。先発であるカゲロウデイズの成功により
人気作のメディアミックスは各出版社で
取り合いになっている状態です。
3について
初音ミクが主人公の小説なの? 著作権は?
という疑問を最初、私は抱いていました。
メディアミックス当初は、著作権を考慮してか
初音ミクに似てるけど違うキャラで書いたりしていたようです。カゲロウデイズや終焉ノ栞はもともと
オリジナルの世界観、キャラが中心なので、
そこらへんは問題なかったようです。ただ、最近ではクリンプトン社がOKを出したのか
ボカロキャラがそのまま出演している作品が
多くなりました。二次創作が商業作品として出るのは
アンソロジーがあるので初めてでは
ありませんが、クリンプトン社の寛容さが
伺えると同時に、ますますボカロ小説化ブームは加熱していくのではないかと私は予想しています。
ただ、一部には問題もあると思ってますが。
このなかからボカロPアニソン製作にも関わってくる問題は、1と2かと思われます。つまり、実際に歌を歌うアーティスト(声優)だけでなく、ボカロPの固定ファンもその作品を見てもらおう、見るきっかけにしてもらおうという戦略*3かと思われます。こうして私のような人間が釣れるわけです。
とはいえ、この手法で稼げる視聴者はアニメ趣味も兼任しているボカロファンだけで、実際に目に見える売り上げに貢献できるかは疑問符*4があります。歌手以上に作曲者が重要視されるのはボカロ界の特徴であって、他はそうではないのです。どのように楽曲制作者が選定されるか、こればかりは関係者のみぞ知る話ですが、あいにく私はそのツテを持っていないので、様々な情報からあれこれと推測するしかないのです。
さて、今回の主題はアニソンリストを作るという話でした。けっこう難しい作業で完成できるか分かりませんが、ぼちぼちやっていきたいと思います。(とりあえず近いうちに、妥協したリストを作成する予定です。)
*1:私はこの方を存じ上げないのですが、ライトノベル作法研究所でインタビュー記事は見つかりました。
*2:この記事は作成月日が記載されていないので、具体的にいつ頃のボカロ小説化ブームの話か分からないのですが、少なくともボカロニュース(@vocalo_news)では2013年4月4日に当該記事のツイートがなされているので、その日以前であることが分かります。
*3:この傾向を読み取れる作品として、「ゆゆ式」と「えとたま」が挙げられます。どちらも主題歌やキャラソン等で多くのボカロPや音ゲー界隈で有名な人たちが参加しています。
*4:以前、2chまとめサイトで、アニソンに2回以上採用されたボカロPがスレ主の質問スレがまとめられてあって、そのなかで「アニソン2曲作ったけどギャラが少ない」との記述は見たことはあります。今回の記事作成に際して、再度その記事を探そうとしましたが残念ながら見つかりませんでした。ここからボカロPアニソン多発の現状に関して、ある邪推が生じてしまいますが、とりあえずそれを見た記憶だけを、脚注にこっそり書き留めておくだけにしておきます。